本研究はサッカーにおいて得点場面で多く使われ、最もスピードが出るであろうとされているインステップキックに注目し、利き足と逆足のスピードの違いを経験者と未経験者で検証をおこなったものである。
被験者は大学生男子2人で、被験者Aは小学校でサッカースクールに通い、中学校の部活動で約6年サッカーをやっていた。被験者Bはサッカーの知識、技術共に無く初心者であり、レベルは授業でやった程度である。被験者2人に、あらかじめシュートをするようなイメージを持ちながら蹴るように指示をし、ゴールライン11mの所からゴールの中央に向かって各2回ずつ蹴らせ、その中から被験者自身が強く蹴ることができたと感じられた方を分析対象とした。分析は、撮影した映像からキックフォームの連続画像をキャプチャーし、両足のキックスピードを算出した。
結果は被験者A(経験者)は、利き足でのインパクト時スピードは約39.6m/sで逆足でのインパクト時スピードは約31.0m/sとなり約10m/s程度の差が出ており、左右のキックスピードには大きな変化が見られた。被験者B(未経験者)は利き足でのインパクト時スピードは約27.5m/sで逆足でのインパクト時スピードは約24.4m/sで約3m/s程度の差であった。逆足は利き足に比べ経験者未経験者どちらも速度低下が見られたが、経験者の方が利き足と逆足の差が大きかった。