オリコンランキングにおける時代変化分析 [東京情報大学] [西村ゼミ卒業論文概要集] [年度ごとの一覧]
2022年度西村ゼミ卒業論文
オリコンランキングにおける時代変化分析

過去に関根紘和氏が行った「ビルボードチャートにおける長調と短調の割合の再分析及びその他要素の時代変化分析」では、アメリカのビルボードチャート1946-2004年のヒット曲TOP20のBPM、メインボーカルの男女、コーラスの有無と男女、曲の長さが調べられ。時代や、社会とともにヒットする曲のもつ要因が変わっていく事が判明した。日本のオリコンチャートでも時代によりヒットする曲の持つ要因が変化しているのではないかと思い、調査する事にした。また、ビルボードチャートと比べ、どのような違いがあるかを調べた。

対象楽曲は、日本のオリコンランキング1971-2010年のヒット曲TOP20から収集した。本研究では日本のオリコンランキングが1971年からしか見つからなかったので1971年からにしている。研究内容は、TOP20のBPM、メインボーカルの性別、コーラスの有無及びその性別、曲の長さを調べることである。先行研究では、長調と短調の分析を行っているが、音楽専門家でないと正確な判別ができないため、本研究では行わないことにした。

その結果、日本のヒット曲のテンポでは、過去のビルボードチャートの研究と反対の結果になり、1971年〜1990年まではテンポの速い曲が増加し、1991年〜2010年ではテンポの遅い曲が増加している。性別と曲の長さにおいては、過去の研究と同様に、年々女性アーティストの増加がみられ、1981年〜1990年には女性ボーカルが、男性ボーカルの数を上回っている。しかし、2001年〜2010年では男性ボーカルが約8割を占める結果になった。曲の長さでは、1971年〜1980年では4分以内の曲が約8割を占めていたが、年々減少し、1971年〜1980年以降、4分以上の比較的に長い曲が増加している。過去の研究と比べて、アメリカのヒット曲の特徴と日本のヒット曲は似ているところもあるが、社会や文化などによりヒットする曲のもつ要因が異なることを考察した。