音楽聴取方法および聴取環境と音楽配信サービスの利用実態の関係についての調査 [東京情報大学] [西村ゼミ卒業論文概要集] [年度ごとの一覧]
2019年度西村ゼミ卒業論文
音楽聴取方法および聴取環境と音楽配信サービスの利用実態の関係についての調査

世の中のトレンドに関する調査・研究を行っている「トレンド総研」が2015年に「音楽聴取方法と音楽配信サービスに関する意識・実態調査」を、2016年に「定額制音楽配信サービスの利用実態」を発表した。当時に比べて、新たなサービスの登場や対応機種の増加により、定額制音楽配信サービスの利用実態や音楽の聴取形態に変化が起きている可能性があるため、現在の音楽聴取や音楽配信サービスの利用実態がどうなっているのかを調べことが今回の調査の目的である。また、音楽聴取環境やその状況、つまり「どんな行動をしているとき」、「どんな気分のとき」に音楽を聴くのかを設問に入れ、他の設問とどのような関係性があるのかも明らかにする。

まず、現時点での音楽配信サービスのサービスごとの機能や楽曲数を調べて表にまとめた。その結果、楽曲数の増加、新たに対応した再生機器や追加された機能(オンデマンド再生やハイライト再生)など、かなりサービス内容が増えていた。

次に、大学生(18~22歳)を対象とし、紙媒体とe-learningシステムの一種であるC-learningを用いてアンケート調査を行った。その結果、スマートフォンの回答率が圧倒的に高く、その理由としては、スマートフォンが時・場所・機能・サービス対応・機器の持ち運びやすさなどが他の再生機器より強いからと考える。また、動画形式で音楽を聴いている人がとても多く、その理由としては、無料で利用できる期間の期限が無いこと、機能の制限がほぼ不自由なく使えるのが他の聴取サービスより良い点だと思える。

そして、College Analysisで数量化V類を用いて、どの回答同士が一緒に選ばれているかを調べた。分析の結果、次のようなことが分かった。「自宅」で聴く人は「公共交通機関」でも聴いている。「自宅」と「公共交通機関」にいるときに音楽を聴くときは「スマートフォン」や「パソコン」がよく使われる傾向がある。「動画」を見る人は「スマートフォン」を使用している。「定額制」は他の入手方法・経路と一緒に使用する人は少ない。音楽を聴くときとして、「食事中」、「楽曲を覚えるとき」、「風呂内」はそれぞれ他の項目とは離れており、このような時に音楽を聴く人はあまり一般的でない。有料音楽配信サービスの良い点として、「楽曲種類が充実している」と「知らなかった曲を知ることができた」を同時に選んでいる人が多い。有料音楽配信サービスの「Prime Music」と「Spotify」は、他のサービスとはユーザーが異なる傾向がある。