音楽BGMが聴覚的時間に与える影響 [東京情報大学] [西村ゼミ卒業論文概要集] [年度ごとの一覧]
2016年度西村ゼミ卒業論文
音楽BGMが聴覚的時間に与える影響

世間では人を待つ時や移動をする時に音楽を聴いている人が見受けられる。世間の人が音楽を聴きながら行動するのは、私の経験から音楽を聴いていると時間経過が早く感じられるためであると考えられる。このようなことから「聴覚」に注目し、音楽は本当に時間経過に影響しているのか疑問に感じた。

過去の研究では、一つのオリジナル曲を制作しテンポ変更を行った。被験者にテンポ変更した曲をヘッドホンで聞いてもらい、曲が流れたらストップウォッチをスタートし、60秒の所でストップウォッチ止めてもらう。この時間を産出時間と呼ぶ。この研究結果では、速いテンポのとき産出時間は短くなる。つまり、主観的時間が物理的時間より長い。遅いテンポのとき産出時間は長くなる。つまり、主観的時間は物理的時間より短くなることが示されていた。

今回の研究では、複数の曲を使用し、そのテンポ変更して実験を行った。また、テンポ以外にも産出時間に影響している要因があるのでは無いかと考えた。このことから、脈拍数と産出時間の関係性、音楽の印象評価と産出時間の関係性を調べることを目的とした。

被験者に脈拍計を装着し、ヘッドホンで音楽を聴いてもらった。音楽が流れたらストップウォッチをスタートしてもらい60秒の所で止めてもらった。そして、音楽の印象評価をしてもらった。これをランダムな手順で18回繰り返した。

その結果、複数の曲でも遅いテンポの産出時間は、速いテンポより有意に長いことが見られ、過去の研究結果と一致した。脈拍数と産出時間、音楽の印象評価と産出時間は関係性が見られず、産出時間に影響していない結果となった。