今回の実験では、「企業ロゴのイメージについての探索的研究」を参考にした。この研究では、視覚的アピールである、企業ロゴを用いての研究であり、企業イメージとロゴイメージは一致しているか調べることを目的とした。結果、ロゴと企業イメージのギャップの大小は企業によって大きく差が生じた。
近年では音を使った聴覚的アピール、つまりサウンドロゴも多く利用されている。音楽は長期記憶を形成する、古くて新しい広告方法ではないか。ブランド名やメッセージを消費者の頭の中に植えつけるだけでなく、思わず口ずさんでしまうようにする効果があるのがサウンドロゴだと考える。本研究では、企業のイメージと、サウンドロゴの音の印象及びサウンドロゴから与えられる企業イメージを調べることによって、それらの関係を考察することを目的とする。
使用する企業のサウンドロゴをその企業のCM動画から録音し、audacityにて編集した。出力レベルは出力レベルを-12~0dBの間に調節し、著者が感じる同じ大きさにしたものを使用した。調査企業は20社であり、そのうち10社は企業名を言っているサウンドロゴ、10社は企業名を言っていないサウンドロゴで分けて実験を行った。被験者は学生11名、企業20社を対象に、それぞれの文字から想起された企業イメージ、サウンドロゴを聞いた時の企業イメージ、そしてサウンドロゴの音の印象の評価してもらった。その実験を異なる日程で2日間行った。
評価データを、コレスポンデンス分析を用いて分析をしたところ、企業イメージとサウンドロゴによる企業イメージが一致してないものが多く、サウンドロゴと企業イメージのギャップの大小は企業によって大きく差が生じた。サウンドロゴを聞いた際の企業イメージが革新的、将来性がある等と評価されたサウンドロゴの音の印象は、硬い、迫力がある、力強いという音の印象を与えていた。また、サウンドロゴを聞いた際の企業イメージが、伝統的、親しみがあるなどと評価されたサウンドロゴの音の印象は、柔らかい、迫力がない、弱いという音の印象だと分かった。
企業の認知度に関しては、サウンドロゴを聞いた際の企業イメージと文字から想起される企業イメージにギャップが大きいほど、サウンドロゴを聞いた際の企業認知度が低いという結果になった。また、母国語でサウンドロゴ内に自社企業名を入れている企業は認知度が高いことが分かった。