実験レポートの書き方

情報学科 西村 明

必須事項


全体の構成

節立ての書式とし、各節毎に書かれる内容を分類すること。論文の場合は 「目的」の前に、「はじめに」節を設けて、研究目的の背景を述べること。

  1. 目的
  2. 実験方法
  3. 結果
  4. 分析
  5. 考察
  6. まとめ
  7. 参考文献

4.分析は 3.結果に含めても良い


内容

目的

この節では、本報告の目的を簡潔に述べ、過去に本報告の動機となるような研 究や報告(他人のものも含む)があればそれらを引用して、自らの報告の位置づ けを明らかにすること。

実験方法

では、第3者がレポートを読むだけで、同一の機器を使わずとも、同 じ実験を行なえるように、刺激音の物理的条件、刺激音の呈示方法や順序など を詳細に書くこと。

結果

ただデータを表やグラフにして呈示するだけでなく、それらが何を表して いるのか、どこを注目すると何が分かるのかを文章にて表現すること。

主観でなく、データから分かる客観的な事実を述べること。

分析

なぜそのような分析を行なったのか、理由を書くこと。

第3者が同じ実験を行なって同様なデータを得た場合、同じ分析ができるよう に、分析手法を詳しく説明すること。ただしそれは分析ソフトの使い方ではな く、どのような分析をどのようなデータに対して行なうか、ということである。

極端に言えば、実験方法/結果/分析は、だれがやっても同じ手順ででき るものであり、それだけに客観性が求められる。

考察

レポートにおいて最も重要。

この節では、得られた結果からどのようなことが考えられるか、そして、 なぜそのような結果が得られたかについて考え、述べる。関連する過去の文献 の内容と比較することも重要。

筆者の意見や考えを述べる際には、客観的な事実とは区別して書くこと。

まとめ

実験の目的に対する得られた結果を簡潔に述べる。このレポートを読む人 が、目的とまとめの節だけ読めば、おおまかなレポートの内容を把握できるよ うにすることを目安とする。


書き方

書体

です、ます調は用いない。である、だ、を用いる。

基本的に過去形で書くこと。一般的な事実などは現在形でもよい。

グラフ

グラフの題目はグラフの下に付けること。グラフだけの通し番号を振るこ と。

グラフの軸、特に縦軸は、その範囲をデータが取りうる値の範囲に合わせ ることにより、無駄な空白部分を作ることなく、効率よくデータの変化を見て 取れるようにすべきである。

グラフの線種などは、印刷した時にハッキリと区別できるものを意識的に 用いること。

表の題目は表の上に付けること。表だけの通し番号を振ること。

文献引用

過去の文献のデータや考えと比較する際には、自分が参考にしたデータや考え が何に記載されているかを、最後の参考文献の節に示し、その引用部分には右 肩(不可能であれば右側で良い)に文献番号を記すこと。

参考文献

文献には頭に通し番号を振ること。

参考文献を示す際、一般的に、雑誌論文の場合は、

の項目を必要とする。書籍の場合は、 書籍の中のある一節の場合は、 などが、必要な項目である。

<例>

  1. ”ロック:リズムとその発祥”, 橘 隆一郎, ロックの友社, 1971年
  2. "Sequenser as a precise rhythm generator, revisited", R. D. Cray and B. C. Smith, Musical Instrument Review, vol.38, p.445 - 450, (1989)