What is sounds?

音とは?


 音とは簡単にいえば、空気の振動です。本当のところは、振動を伝えるモノ(媒体) は空気(気体)でなくても、水(液体)やコンクリート(固体)でも良いの ですが、我々が耳を使って聞き取る音はそのほとんどが空気を媒体にして伝わるので、ここでは、音とは空気の振動、と言っておきましょう。

 振動、とは何かが変動している現象のことをいいますが、では、空気の何が変動しているのでしょうか?実は、音が伝わっている時には空気の密度が変化しているのです。

 大昔に習ったであろうサイン関数を下に示します。縦軸を空気の圧力(気圧)、横軸を時間と考えてください。音のある場所は、このように時間に伴って気圧が変動しているのです。この図のように振動の様子を時間に対しての曲線で表したものを「波形(wave form)」といいます。この波形では、気圧は大、小、大、小と2回繰り返して変動しています。変動の速さを表すのに、1秒間に何回繰り返しがあるか、という単位(Hz:ヘルツ)を用います。例えば、この図の横軸の長さが0.05秒だったとすると、1秒間に40回振動するわけですから、40Hzの振動、ということになります。

 そんな、気圧が変化しているなんて、全く感じられない!! という人も多いでしょうが、それは当たり前です。気圧の変動の幅は非常に小さく、変動の速さもかなり速いからです。ちなみに我々が音として聞くことのできる気圧の変動は、だいたい2X10(-7乗)〜0.2ヘクトパスカルであるとされています。通常の大気圧である1気圧は1013ヘクトパスカルなので、それに比べるとかなり小さい気圧の変動であるといえます。また、聞き取ることのできる気圧変動の速さはおよそ20〜20000Hzです。

 次に音の波形をもとに、その物理的な特性を表す用語を解説します。ここにあげる用語は重要なものが多いので、しっかり覚えてください。


用語の解説


Important terms discribing properties of sound

静圧(static pressure)
音のないときの空気の圧力
音圧(瞬時音圧)(sound pressure)
(気圧)―(静圧) 単位:Pa(パスカル)
振幅(amplitude)
静圧から気圧の変動する幅
周期(period)
波形の繰り返しに要する時間
波長(wavelength)
音波の1周期が伝搬するのに必要な距離(これじゃ分かりにくいっすねぇ) 。 音波は1秒間に約340m進み、これを音速といいます。(波長[m])=(音速[m/s])×(周期[s])で表されます。
周波数(frequency)
1/(周期) 単位:Hz(ヘルツ)
実効音圧(effective sound pressure)
一定時間の音圧の2乗を積分して時間で割り、ルートを取ったもの
音圧レベル(sound pressure level)
実効音圧と基準の実効音圧との比を底とする対数の20倍 単位:dB(デシベル)

 さて、ここで新しい用語「実効音圧」と「音圧レベル」が出てきました。音 圧(瞬時音圧)とはある時間での値ですから、正と負の両方の値をとりうるこ とは上の図からも分かるはずです。しかし、時々刻々変化する値では、音の大 きさをうまく表現できないので不便です。そこで、ある一定の時間内(その時 間は測定する機器が決定します)での平均的な音圧を表すために実効音圧が使 われます。一般に「音圧」と言った場合はこの「実効音圧」を差すことが多い といえます。実効音圧でない音圧のことを特に言い表したい時には「瞬時音圧」 と言えば良いでしょう。では、「音圧レベル」とはどのような時に使うのでしょ うか?前にも言ったように、我々が聞き取ることのできる音の大きさの範囲は 音圧の単位のパスカルで表すと、もっとも大きな音は小さな音の10万倍程度 になります。そのような広い範囲の値をそのまま使うより、対数を使って音圧 レベルに変換すれば、0〜120dBの範囲で我々の聞こえる音の大きさを表 すことができ、この単位の方が我々の聞こえをうまく扱えるのです。また、一 般に音圧をdBで表現している場合は、それは音圧レベルのことを示しており、 Sound Pressure Levelの頭文字をとってdBの後に付け、dBSPLなど とも表現されます。


いろいろな高さの音を聞いてみよう!!


 では実際にいろいろな周波数の音を聞いてもらいましょう。我々の聞こ える音の周波数範囲は20〜20000Hz程度といわれています。

 4000〜16000HzについてはWAVフォーマット(Windows)のサウンドファイ ルしか置いていません。コンピュータやWEBブラウザによっては、プラグイン ツールが必要な場合もあります。

 440Hz,880Hzの順に聞くと音の高さがオクターブ高くなったように聞こえますか?つまり鍵盤上でいうと、真ん中のラから一つ上のラにいくと周波数は2倍になっている、ということです。このような周波数2倍の関係をオクターブの関係と呼びます。ですから、110Hzと 220Hzはオクターブの関係ですし、220Hzと880Hzは2オクターブ(周波数でいうと4倍)離れている、といいます。


いろいろな大きさの音を聞いてみよう!!


 次に、音の大きさをいろいろと変えてみましょう。周波数が異なれば、聞き取ることのできる最も小さい音の大きさも変わってきますが、最も耳の感度の良い1kHz〜4KHzの範囲では、きくことのできる最も小さい音は0dB程度です。そして最も大きな音(これ以上大きな音だと耳を悪くする)は120dB程度と言われています。これから聞いてもらう音の音圧レベルは皆さんのスピーカ(アンプ)のボリュームで変わってくるので、音圧レベルが段々上昇していく5つの音を聞いてもらいます。

 どうですか?6dBつづ音圧レベルが上昇する、ということは実効音圧は2倍づつ上昇しているのですが、音の大きさの感覚は2倍づつ大きくなっていきましたか?音の大きさがある一定量づつ大きくなっていくように感じませんでしたか?このように(ちょっと無理矢理かなぁ)、我々の聴覚は、音の物理量(音圧)の変化に対してそのまま感覚が変化するのではなく、音圧の対数を取った音圧レベルに対応して音の大きさの感覚は変化しているといえます。これはなにも聴覚に限ったことではなく、触覚、視覚、味覚、嗅覚の人間の五感すべてについて、物理量の対数を取ったものに感覚の変化が対応していることが知られています。


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