HTMLのタグは、文章の論理的な構造をあらわすためのタグと、ブラウザ上 での見え方を操作するタグにおおきく分類できる。ただし、後者の見栄えを制 御するタグは、HTML標準では今後使用しないようにすることが推奨されている もの、そして今後のHTML標準では廃止が予定されているタグも多い(例えば文 字の色や大きさ、配置を制御する font タグ)。その代わりにCSS(Cascading Style Sheet カスケーディング・スタイ ル・シート、単にスタイルシートと略する)を使って、ブラウザ上での見え方 を制御する方法が推奨されている。
その理由は、HTMLのタグだけで見栄えを正確に制御することは不可能であ る、ということである。たとえ、あるブラウザでそれらしく見せることのでき るタグの使い方があったとしても、他のブラウザでは異なった見え方をするこ とがしばしば起こる。CSSはHTMLより、より積極的に、ブラウザ間の違いを越 えて、統一したページの見え方を提供する方法として開発され、標準化された と言える。
以下のタグは、多様なタグの中のほんの一部である。これらのタグを、ブ ラウザでの見え方を変えるために使うのは良くない。例えば、文字の大きさを 大きくするために、見出しを意味する h1 タグを使うのは 推奨されない。なぜなら、見出しには文章(段落)の集まりに適切な題目を付け たものであり、文字を大きくしたい、という意図には、文字を強調したいとい う論理的な意図と、あるいはただ文字を見やすくしたい、という視覚的な意図 の2通りが考えられ、そのそれぞれは、見出し以外の意味を持つからである。
タグ | 機能 | 終了タグ | 例(備考) |
---|---|---|---|
h1 | 見出し | <h1>はじめに<h1> |
|
h2〜6 | 小見出し | 1〜6の順に細分化される |
|
p | 段落 | 省略可 | 空行を開けるためには用いない |
br | 強制改行 | 不必要 | |
pre | テキスト表示 | テキストエディタで見える通りに表示される |
|
ul | 箇条書き |
|
|
ol | 番号つき箇条書き |
|
|
li | 箇条書きの項目 | 省略可 |
<ol> <li>講義</li> <li>演習</li> </ol> |
タグ | 機能 | 終了タグ | 例(備考) |
---|---|---|---|
hr | 水平線 | 不必要 | 文章の区切りを視覚的に分かりやすくする |
strong | 強調 | 太字の書体が使われる |
全てのタグには何らかの属性を設定することができる。属性は、そのタグのみば えや性質を変更する。通常、
属性の名前=値
という書式になる。例えば、箇条書き(ul)では、箇条書きの 項目の先頭に使われる記号を、typeという属性によって変更することができる。 ただし、ここでは、見栄えが変わる方が属性の使い方が分かりやすいため、 例として挙げただけであり、属性ではなく、CSSを使って見栄えを変えるのが、 HTML本来のありかたであると言える。
HTML | ブラウザ表示 |
---|---|
<ul type=circle> <li> circle は○ <li> disc は● <li> square は■ </ul> |
|
<ul type=square> <li> circle は○ <li> disc は● <li> square は■ </ul> |
|