ドラマ『カテゴリーIII』の制作 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成27年度卒業研究概要集] [平成27年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
伊藤 敏朗 ゼミ 平成27年度卒業論文
ドラマ『カテゴリーIII』の制作
穴澤 大地
金田 尚之
寺島 大樹

2013年度卒業・川名孝太郎制作のドラマ『カテゴリー』は、「カテゴリーバトル」に巻き込まれた主人公の鷹一が、戦いを通じて自らの存在を見つめなおしていくというシリーズ・ドラマである。2014年度卒業・藤井幸太、宮坂俊樹が『カテゴリーII』を制作、本作『カテゴリーIII』は、3作目にして最終章となる。

本作で鷹一は、朱花と共闘して小黒を撃破するが、朱花は消滅させられ自らも傷つく。つづく神埼との戦いの中で鷹一は幻覚を見せられる。鷹一は、人が絶望することでカテゴリーに覚醒するという真相を知り、そんな絶望の中でも希望を守るために戦うことの意味を見い出すことで現実世界への帰還を果たす。ついに神埼との最終決戦に勝利し、ゲームマスターとなった鷹一の願いがかなって、消滅したはずの朱花と早瀬が蘇る。喜びあう彼らだが、そこに新たなるカテゴリーが現われて物語は終わる。

この最終章で訴えたかったテーマは、仲間や愛する者の存在があるからこそ、人は希望を持って人生に立ち向かえるということである。これが前作までの問いかけ、「自分の存在とは何か」に対する答えでもあるが、人は終生この問いかけから逃れることはできないとの思いから、終わりなきカテゴリーバトルを示唆しての幕切れとした。

本シリーズで、カテゴリーを覚醒させた登場人物たちは、それぞれにふさわしい武器を所持しており、その多くを自分たちで製作した。また劇中における「白一面の世界」は、グリーンバックで人物を撮影し、クロマキー効果で作り上げるなど製作上の工夫を凝らした。

本作の壮大な世界観を完結させる脚本の執筆には長時間を要し、クランクインは10月を過ぎ、加えて武器の製作も遅延、撮影現場ではキャスト・スタッフへの演出意図の伝達が十分でないため混乱した。スケジューリングの不手際も続き、すべての関係者に多大なる迷惑と負担をかけてしまったことを陳謝したい。

脚本執筆の難しさを痛感し、チームを率いてプロジェクトを遂行する能力の乏しさも露呈し、自らの改善点が浮き彫りになった。この反省を糧として成長していきたい。