研究目的
「妖怪」とはどういった存在か明らかにすることである。詳しくいえば、「妖怪」は日本文化のなかでどういった存在であるのか、日本人の歴史にどのように、関わって来たのか、人の心理的な部分でどのような影響を与えているのかを考察する。その際、妖怪が現れるとされる空間や誕生経緯について先行研究を用いて整理する。そして、なぜ人間はそういった存在を求めるのかを考える。
研究方法
資料での研究および考察
結論
様々な要素から「妖怪」という存在を考察してきた。私は「妖怪」とは人間が自分の中に恐怖心を理解するために生み出したモノだと考えている。人間は生きている上で怖いことの連続だ。古代にも見られたように先の見えない闇夜への恐怖、自分たちに理解できなかった自然現象への恐怖、他人との関わりと集団行動によっておこる不安や不満による恐怖心、この先どうなるか解らないという未来への恐怖心と「死」という概念への恐怖心、さらにそれらに対しての好奇心を自分たちが納得できるように形を与え、合理的な解釈をして理解しようとモノが「物の怪」や「妖怪」という存在なのではないか。
また、そういった存在を人が求めるのは、恐ろしくても奇妙で愉快な妖怪という存在を通して怖いことを理解すること、それを楽しむためではないだろうか。さまざまな不安を妖怪というものに渡していたからこそ、人は安心することができたのではないだろうか。