エレクトリックギター練習ゲームの有効性について [東京情報大学] [情報文化学科] [平成27年度卒業研究概要集] [平成27年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
西村 明 ゼミ 平成27年度卒業論文
エレクトリックギター練習ゲームの有効性について
山口 健太

過去に、ピアノの独習支援システムを使った熟達度推定を行い、演奏の理想的なタイミングからの誤差を測り、ピアノの独習者や初級者へのピアノ学習支援を行うシステムがあった。この研究ではピアノ音階演奏のみを対象としており、エレクトリックギターでの研究結果はない。2013年にエレクトリックギターの独習を支援するゲーム「ロックスミス2014」が発売されている。このゲームにはピアノの独習システムにある、理想値からのずれが視覚的に分かる機能がある。このゲームに有用性があるかどうかを調べれば、エレクトリックギターを使用する人でもピアノの学習システムと同じ様な練習を気軽に行うことが出来ないかと考えた。

そこで6人の被験者を3人ずつ2つのグループに分けて一ヶ月間に一連の練習を行い、一連の練習の前と後に、3分間の練習の後に課題曲の録音をした。録音した音声データを波形ソフト「audacity」を用いて、波形の中でメトロノーム音を基準にして、エレクトリックギター音の振幅の最大値にある時刻をサンプル数として測った。測ったギターのサンプル数から正確な時刻のサンプル数を引いて、音符ごとの演奏音のずれとして測った。さらにそのずれの絶対値の平均を算出し、棒グラフにして練習前に比べて練習後はどのくらいずれが縮まっているか調べた。

実験の結果、譜面で練習したグループは、練習前は、ずれの絶対値の平均値の値が大きい被験者が多かった。そして、練習後は、ずれの絶対値の平均値が減少している被験者もいれば、僅かしか変化していない被験者もいた。音楽ゲームを使って練習したグループの練習前と練習後を比較すると、練習前はずれの絶対値の平均が目立っていた被験者は、練習後は小さくなっていた事が分かった。