立体音響再生におけるスペクトル表示 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成26年度卒業研究概要集] [平成26年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
小泉 宣夫 ゼミ 平成26年度卒業論文
立体音響再生におけるスペクトル表示
永田 あみ

バイノーラル再生とは、二つの耳の鼓膜近傍で実際の音を収音し、それを2チャンネル信号として記録し、収音したときと同じ鼓膜近傍で再生すれば、原音とまったく同じ立体音響を体験できるという考え方である。

シミュレーションでは、音源から鼓膜近傍までの音の伝わり方をインパルス応答であらわし、それらを方向ごとにデータとして取得しておく。次に音源信号にこれらのデータをたたみこむとヘッド(イヤ)ホン受聴信号が得られる。それらのインパルス応答の特徴はスペクトル領域で見た方がわかりやすい。

本研究では立体音響において左右の耳に届く音のスペクトルを表示し、その変化をわかりやすく観測できるプログラムをPure Dataで作成した。

結果として、音楽ファイルとノイズ音源に対し、それぞれのスペクトルの特徴、音源の方向を変えた場合のスペクトルの違いを確認できた。特に、バイノーラル方式の特徴である、音源から鼓膜近傍までのスペクトルの変化を、スペクトルが均一なノイズ音源を用いることで直接観察することができた。