男女2名ずつの音声を用いた音響圧縮形式による音質の違い [東京情報大学] [情報文化学科] [平成26年度卒業研究概要集] [平成26年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
西村 明 ゼミ 平成26年度卒業論文
男女2名ずつの音声を用いた音響圧縮形式による音質の違い
江口 未来

近年、iPodやMP3プレーヤーなどの普及で音響情報圧縮も一般的になった。また、インターネットを通じて動画やラジオを楽しむオンデマンド配信、ポットキャスト等が利用されている。また、ニコニコ動画やTwitCastingなどを使い今の状況を配信して楽しむ若者が急増している。それらのコンテンツでは音響情報圧縮が利用されている。しかし、使用されている圧縮技術は各メディアで異なる。その中でどの圧縮形式が最も原音に近いのかを、男性・女性それぞれのアナウンサーと声優の計4名の音声を用いて聴取実験によって考察した。

今回対象となった圧縮形式は現在主流となっているWindows Media Audio・MPEG Audio Layer-3・Real Mediaの3つである。4名の音声を3つの形式において16kbpsと32kbpsの2種類のビットレートで圧縮し、原音を含めた、計7個の音声ファイルを使用して聴取実験を行った。結果、アナウンサーはwmaが最も原音に近くビットレートによる差はあまりなかった。声優はrmが最も原音に近くビットレートによる差はあまりなかった。また、いずれの音声もmp3の16kbpsが原音と最も差があると判断され、他のコーデックとは異なる音質だと評価されたが、その理由については今回の実験ではわからなかった。また、音声により原音に近いコーデックが異なることがわかった。だがどのコーデックも前回の実験のようにはっきりとした差がないため、被験者はmp3の16kbpsを除いて、これらのコーデックの音質の違いが分からなかったようだ。