人は状況や気分によって聴く音楽を選んでいる。このことから、どのような音楽のジャンルがその時々の気分によって好まれるのだろうか、またその音楽を聴く理由は何か、聴いたあとにその気分はどのように変化しているのかを男女別に調査した。また、今回から気分だけでなくどんな状況で音楽を聴くか調査を広げた。
今回、調査の方法はアンケートを使用し、男女合わせた57名に行った。このアンケートでは、聴く前の気分をあらかじめこちらで設定し、「楽しい気分」「悲しい気分」「イライラした気分」「ゆったりした気分」のそれぞれにおいて、音楽を聴くとしたらどんなジャンルを聴くか、歌手の性別は「男性」か「女性」か「男女グループ」かまたは「音楽のみ」か、音楽を聴いたあとの気分はどう変化するのかを回答してもらった。さらに今回から気分だけではなく状況をこちらで設定し「就寝時」「緊張時」に音楽を聴くか、またこれらの他に音楽を聴く状況を自由記述で設け回答してもらった。
分析の結果、どちらの性別のいずれの気分でも音楽を聴くという回答が多かった。
楽しい気分のときは、女性はロック、男性はアニメソングを聴き、気分を盛り上げるために聴くという傾向が出た。
悲しい気分のときは、女性は音楽の悲しさに共感したいからバラードを聴く傾向が、男性は気分を変えるためにロックやポップスを聴く傾向が出た。前回の結果では女性同様、音楽の悲しさに共感したいからバラードを聴く傾向であり、今回の結果と大きな違いが見られた。また同じバラードでも女性の回答者は男性歌手を聴いていたが、逆に男性の回答者は女性歌手を聴く結果となった。
イライラした気分のときは、女性は気分を落ち着けるためにロックやアニメソングを聴き、男性は気を紛らわせるためにハードロック・ヘビーメタルを聴く傾向が出た。
ゆったりした気分のときは、女性はバラードを聴き、男性はポップスを聴き、落ち着くから聴くという傾向があった。
就寝時に音楽を聴くかについては、男女ともに聴かない回答が多かった。
緊張時に音楽を聴くかについては、男女共に半数程度聴く結果であった。
自由記述の回答数は少なかったが、回答された音楽を聴く状況を心情の低下時、行動中、時間的余裕、就寝・起床時の4つに分類し、心情の低下時は明るい気持ちにさせるため、行動中は活力アップのため、時間的余裕はその状況を楽しむため、就寝・起床時は気持ちを切り替えるために聴いている傾向が示された。