恋愛はテレビ、本、映画、音楽、ラジオなどあらゆるメディアで取り上げられるテーマである。そして青年にとって関心のあるテーマの一つである。多くの若者が異性への関心が高まり恋愛関係を求めており、恋愛は日常生活において影響を及ぼしている。そして恋愛は人が成長する大事な契機であり、恋愛を通して人間的に成長するための重要な経験であるとしており、青年期の発達課題に異性との深い関係をあげている。また、青年期の恋愛関係は親子関係からの独立という、乳児期からの親密な関係性の変化の中においても位置づけることができる。このことから、青年期の恋愛および恋愛関係とは、他者を自ら選択して親密な対人関係を形成していく過程であるといえる。そのような過程を経験することによって、アイデンティティの確立といった青年期における発達課題を達成する契機の一つになると考えられる。
そこで本研究では、過去のアンケートや面接調査をもとに、恋愛とアイデンティティの相関関係に注目し、どのような恋愛をするとアイデンティティを確立できるのか、そのためにはどのような恋愛をする必要があるのか調べた。
恋愛は、一人一人によって内容はことなるであろうし、同じ人であっても、その時その時によって考えていることが違ったり、気持ちがころころ変わってしまうので、心理学的に追及することが難しいテーマであり、すべての人に当てはまるわけではないが、以上のことから、青年が恋愛関係において、相手の挙動が気にするような関係不安を感じることによって、アイデンティティが確立されることが明らかとなった。