本研究では、身体の動きと同期した音楽の自動演奏を目標としたミュージックシーケンサを設計した。
ミュージックシーケンサとは、予め設定された演奏データを用い自動演奏を可能とする装置である。音高(音の高さ)や音価(音符もしくは休符の長さ)をメモリに記録し再生することで、コンピュータによる自動演奏が可能となる。
ここでは操作者の身体の動きと同期して自動生成されたシーケンスを変化させることができる装置を提案した。
シーケンスの操作に利用する身体の動きとして「意図的動作」、「生理的反応」の2種類に着目し、それぞれ「加速度センサ」、「心拍センサ」を用いることで、身体の動きとの同期を可能にした。
設計したシーケンサは、旋律(メロディ)、和音(コード)、リズムパターンの3要素からなる。旋律および和音は小節ごとに自動生成され、節の移り変わりによる旋律の変化を「加速度センサ」で操作する。和音およびリズムパターンは操作者が操作した旋律に付随する形で、旋律と同時に再生される。また「心拍センサ」からの情報は、シーケンサを演奏するテンポの制御に使用している。
これにより音楽経験のないユーザでも、気軽に音楽を演奏する感覚を味わうことができる。