現代のインターネット社会をソーシャルネットワーキングサービス(SNS)抜きに語ることはできない。日本においてもSNSの利用者は年々増加している。とりわけ、スマートフォンやタブレットの普及に伴い、携帯端末から手軽にインターネットにアクセスできるようになって、SNSはますます身近なものになっている。そんな中で目立つのが、SNSでの発言に他の多くのユーザから批判が集中し、いわゆる炎上状態(フレーミング)になる事例である。SNS上で飲酒運転や盗撮行為、人格批判など、公序良俗に反する発言をしてしまい、結果として炎上を招くケースが後を絶たない。なかには、大量の個人情報を流出させてしまったり、発言がもとで解雇されたり、逮捕されたりするケースまで存在する。なぜこのようなことが起きるのだろうか。その理由を、加藤晋輔氏が指摘する、発言者が「SNS上でのつながりを広いと知覚する度合い」と「SNS上で発言を聞いている人々を自分がコントロールできていると知覚する度合い」の二つの側面から考察した。なぜそんな発言をしてしまうのか、その理由を知ることは一般のネットユーザはもちろん、最近ではSNSを企業戦略として積極的に利用しようという企業も多く、そうした企業にとっても意味のあることだと思う。