私がウェアラブルコンピュータを卒論のテーマにしようとしたきっかけは、好きな、興味のもてるガジェットについて取り上げたかったからである。なかでもウェアラブルコンピュータは、単体で使えるものになるのか、スマートフォンなどと連動させて使うのか、形は腕時計型と眼鏡型のどちらが主になるのかなど、定まっていないことが多くてとてもおもしろい。
ウェアラブルな小型のコンピュータの構想には結構、長い歴史があり、形も使い方もさまざまに想像/提案されてきた。しかし、2013年はことさらウェアラブルコンピュータ元年と言われる。言うまでもなく、その理由は『Google Glass』という眼鏡型のウェアラブルコンピュータが一部のユーザーに発売されたことにある。まだ開発者向けのベータ版ではあるが、とても注目を浴びている。Googleの他にもSamsungやAppleそしてSONYなど多くの会社が「製品」を世に出したり、出そうとしている。
ただ、話題に上るこれらの「製品」は眼鏡型か腕時計型であり、形の上ではこれまでの想像の延長にあるように見える。現代のユーザはウェアラブルコンピュータに何を求めているのか、メーカーをはじめとする開発側は、どのようにユーザのニーズにこたえたり、ニーズを掘り起こしたりしていこうとしているのか。ウェアラブルコンピュータが切り開いていこうとする未来について考察した。