このドラマは、ある夜の女子会(女子の飲み会)で、3人の女子学生が赤裸々に語り合う恋バナ(恋愛談義)を軸に、現代の女の子像をいきいきと描きだそうとしたものである。
カナの部屋に、ミドリとナツキがやってきて飲み会が始まる。それぞれが過去に交際していた男子や、いま気になっている男子の話しで盛り上がるが、最後に一斉にその名前を明かしてみると、それはオオシゲ君という同一人物だった。驚く3人。そこへオオシゲ君からのメールが3人同時に届く。どれも「(君のことが)好きだよ」という同じ文章で、3人は呆れ果てる。「こんな奴のことは忘れよう」と気分を切りかえ、3人で乾杯する。
女子というのは無邪気で可愛く、時に残酷、恋愛中ともなれば僅かなことに一喜一憂し、思いもかけない行動に出る。そんな揺れ動く女心を本作はコミカルに表現しようと考えた。細かな人物造型をおこない、それに合った衣装を着せて、女子の可愛さを前面に押し出すよう演出した。
室内シーンが平板なものにならないよう、カメラワークにメリハリをつけるいっぽう、回想シーンは適度なチープ感を出すために、ブルーバックによるクロマキー合成を用いた。ブルーバックに影が落ちないように多数の照明を使ったが、容量オーバーで電源ケーブルを焦がしてしまったことや、登場人物にジーンズなど青系統の衣装を着せてしまったため、その後の合成作業に非常な手間を要したことなどは反省点である。
本作は多くのゼミ生の協力を得て完成にこぎつけた。様々な問題にもチームとして対処して解決することができ、ドラマ制作における「分担と協力」の重要性をあらためて認識した。