このアニメーションは、動物たちが繰り広げる寓話的な世界を描いた作品である。
広場のベンチで絵を描いていたペンギンが、ゾウ、クマ、ウサギの3匹から一緒に遊ぼうと誘われるが無視してしまう。3匹は困っていたカメを助ける。カメが3匹にお礼のプレゼントをするのを見て、ペンギンは自分もそれが欲しくなる。行動を起こしたペンギンは、何匹かの動物たちに出逢って歩くが、思うようにいかない。落ちこんで広場に戻ってみると、自分のスケッチブックがなくなっている。そこへ転がってきたボールをとってやる。ボールを転がしたゾウたちが、お礼として探していたスケッチブックと花をくれる。彼らは一緒に遊ぶ。
この話のメッセージは、誰でも小さなきっかけと行動で成長できる、その努力をきっと誰かが見ていてくれるということである。主人公のペンギンは、最初はプレゼントの品物が欲しくて動き始めるが、最後までモノは手に入れていない。得られるものは形のあるものだけではないということである。経験の乏しいクレイアニメへの挑戦だったが、このような物語のテーマは、うまく表現できたと思う。
技術的には、スチルカメラで撮影した静止画像を、ノンリニア編集機の中で編集して滑らかにアニメートすることに苦労した。反省点は制作時間に余裕がなく、背景を作りこんだり、細かい動きをつけたりすることができなかった点である。
ゼミの全体活動では、グループ制作の楽しさや難しさを知り、今回のアニメーション制作では一人で取り組むことの自由さと辛さを知った。作品が完成して得られた達成感と喜びはともに大きく、どちらも貴重な経験であった。