1970年代の後期、日本では歌謡曲とは異なる「テクノポップ」と呼ばれた電子音楽が一般の聴衆者から普及していく。電子音楽は楽器のデジタル化や機能の開発により、音楽面でさらなる進歩を見せている。現在ではソフトウェアによる音楽制作が可能になった背景もあり、音楽はただ聴くだけでなく、個人で音楽を自主制作出来るという時代になった。その中で電子音楽はどのように技術を発展させ、どのような音楽性へと変化したのか。また電子音楽の発展とそれらに対応する時代背景は、電子音楽の一般層への普及にどのような影響を与えたのか。
本論文では、電子音楽の誕生から現在までの発展を辿るとともに、日本において電子音楽が一般的ではなかった1970年代中期から、「テクノポップ」という名前を与えられ一般の聴衆者たちに認知されていく現在までの電子音楽を比べていき、電子音楽という音楽がひとつのジャンルとして確立していくまでを考察する。また、日本の電子音楽深く関わる人物たちを紹介していき、その関連人物たちが電子音楽にどのような影響を与えていったかということも同時に考えていく。