元祖"クロスメディア"としてのガンダム [東京情報大学] [情報文化学科] [平成24年度卒業研究概要集] [平成24年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
小宮山 隆 ゼミ 平成24年度卒業論文
元祖"クロスメディア"としてのガンダム
土井 隆裕

一口にガンダムと言っても初代ガンダムからガンダムAGEまでのアニメ作品のほか、映画、漫画、小説、ゲームなど多数の作品が存在する。それらがいつ放送、放映、出版、販売されたかを調べ、それぞれの関連や内容を簡単にまとめた。

一つの作品を軸に「外伝」として複数の作品がつくられたり、アニメ版と小説で内容が違っていたり、前の作品の続編が次々と出されたりと、ガンダムは多様で重層的な作品展開で知られる。初代ガンダムがその最たるもので、一つのストーリーが展開する同じ「時」、同じ「場」が違う作品とつながっていたりしている。

アニメ作品やゲームのほか、ガンダムのプラモデルを略して「ガンプラ」という呼称があるように一群のプラモデル製品があり、さらに市販品をベースにオリジナルな創作を競う領域も存在する。また、実物大のガンダムがお台場に現れ、人々の注目を集めたことも記憶に新しい(2012年4月)。

ガンダムは本論で取り上げた以上に、広くかつ多様に「存在」している。 一つのコンテンツを複数の表現媒体を通じて配信し、効果的な浸透をはかる手法としてクロスメディアが注目されて久しい。ガンダムの場合、こうした送り手の意図をこえ、ネットやゲーム、あるいはガンプラを通じて、受け手も積極的に参加する「クロスメディアな」展開が継続的にあり、その集積が今日の「存在」を形成しているように思う。