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伊藤 敏朗 ゼミ 平成24年度卒業論文
ミュージック・ビデオ『Hello,Worker』の制作
松下 葵

この作品は、2011年に動画投稿サイト(ニコニコ動画)上で発表され、幅広い指示を得ている歌、『Worker』(作詞・作曲KEI)に、オリジナル映像をつけて完成させたミュージック・ビデオである。歌詞の意味を自分なりに読み解き、就職活動中や社会人になった若者の複雑な内面の映像化を試みた。

ビデオは、『Hello,Workerr』の曲をバックに、一人の男性が都会を歩いてくるカットから始まる。イントロ・Aメロ・Bメロ・サビと進行するのに従って、歌詞に合わせた映像が展開していく。社会人となった男性が空を見上げ、学生時代の苦しかった就職活動を思い出す。その辛さは今も変わらないが、歌の終盤では自らを奮い立たせ、これからも頑張っていこうと決意する。最後に履歴書を紙飛行機に折って飛ばし、書類に貼られた顔写真がにっこりと笑って、これからの人生を前向きに生きていこうというメッセージを表現してみた。再生時間は3分56秒である。

この作品では、『Hello,Worker』の内容やイメージを、映像で分かりやすく伝えたいと思った。それを実写で撮影するだけでは、もの足りなく思われたので、アニメーションとクロマキー撮影の実写を組み合わせたり、AfterEffectsによる特殊効果を加えるなどして、より視覚的に強く訴えるものにできたと考えている。

反省点としては、制作に取りかかるのが遅く、全てのカットの絵コンテを描き込まないままクランクインしてしまい、全体としては、まだまだ曲の内容や世界観の表現が不足だったことである。成り行きで撮影して、後から撮り忘れたカットに気がつき再撮影するなど、進行上の支障となるようなこともしばしばあり、より入念な事前準備が必要だったと感じた。

本作の制作においては、伊藤ゼミ生だけではなく、他ゼミの友人らにもスタッフ・キャストとして協力してもらい、無事に完成させることができた。この経験から、映像作品というものは1人では作れないものだということを痛感し、あらためて周囲の人々への感謝の念を抱いた。また、普段は気軽に聞き流している音楽も、自分が表現者となってその楽曲に取り組んでみると、とても奥深い世界があるということが分かった。

ミュージック・ビデオの制作では、歌詞の意味やメッセージを深く理解し、十分な準備、的確なアイデアと高い技術によって、自らの想いを表現していくことが重要だと感じた。