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伊藤 敏朗 ゼミ 平成24年度卒業論文
史跡紹介番組『上総国分寺・上総国分尼寺』の制作
古川 陽介

この作品は、千葉県市原市の史跡、「上総国分寺」と「上総国分尼寺」を紹介したビデオ番組である。

上総国分寺と、上総国分尼寺は、741年、聖武天皇の「国分寺建立の詔」によって各地に建立された国分寺と国分尼寺のひとつである。上総国分寺は昭和4年、上総国分尼寺は昭和58年および61年に、国の史跡に指定されている。

番組は、現在の市原市の概要から始まり、かつてここが国家仏教の地であったことを述べる。まず、上総国分寺跡の紹介となり、江戸時代の再興時に建立された仁王門と薬師堂、心礎が残る七重塔の跡地、仁王門の金剛力士像、薬師堂の天井画などを見る。次に、上総国分尼寺を紹介する。復元された回廊・中門・金堂、八角灯篭などを見た後、敷地内に併設されている上総国分尼寺跡展示館を紹介する。鶴岡淳館長にインタビューし、同館の呼びものでもある展示映像を見る。最後に上総国分寺と上総国分尼寺の全体像をふりかえった後、空に聳え立つ七重塔(クロマキー合成)のカットで番組をしめくくる。

作品では、上総国分寺と上総国分尼寺が、他の土地の国分寺とは異なる特徴や魅力を備えていることを広報したいと思った。関係者にご協力いただいて、構成や内容を練り、史跡の撮影アングルや編集を工夫したことで、その全容をうまくまとめることができたと考えている。特に工夫したのは、現存しない上総国分寺の七重塔が、かつて63mの高さを誇っていたという偉容を表現したカットである。市役所のロビーに展示されている塔の模型を撮影し、編集ソフトのクロマキー合成機能を用いて青空の背景に重ね、屋外に聳え立っているように見せることができた。反省点としては、撮影にとりかかったのが10月中旬からと遅く、スケジュールに余裕がなく、取材が十分に深まらなかったことである。

本作の制作を通じて、自分が生まれ育った土地の歴史や史跡を詳しく学ぶことができたことは、とても有意義で、あらためて郷土愛を強くした体験であった。