本プロジェクトでは、毎年1月に公開される「千葉市消防局消防出初式」の、平成24年ならびに平成25年の模様をそれぞれ記録した2本の映像番組を製作した。これは伊藤敏朗ゼミナールの「映像による地域貢献活動」の一環として、千葉市消防局から依頼されて実施したもので、成果物はDVDにして納品され、同局の公式記録となるものである。
平成24年の出初式は1月14日に、平成25年は1月12日に、「フェスティバルウォーク蘇我」を会場に行われた。いずれの年も、まず、消防隊員ならびに消防・救急車両のパレード、音楽隊の演奏、来賓挨拶や表彰行事がおこなわれた。千葉市鳶伝統文化保存会による「木やり」と「はしご乗り」に続いて、いよいよ日頃の訓練の成果を市民の前で披露する「消防演技」が始まる。隊員たちは、大規模な火災や地震災害の想定のもと、迅速な消火活動や救出活動を展開。消防ヘリや消防艇も登場し、迫力ある訓練風景が繰り広げられた。
撮影中は、隊員らの鍛えられた肉体、統率のとれた迅速な消火・救出活動、最新鋭の装備、そして炎と水の競演に目を奪われながら、広い敷地の中をカメラポジションを変えつつ動き周り、その全体像を余すところなく記録するように努めた。寒さに手が震え、あるいは建物屋上のカメラが風に煽られるなどして映像が揺れてしまう課題もあったが、長時間にわたる行事の模様を無事に収録することができた。会場では、テレビ局の報道カメラマンに混ざっての取材となったが、プロの機敏な仕事ぶりを目の当たりにして、良い勉強になった。
平成24年の取材では、カメラは2台だったが、多彩な行事の全貌を捉えきれなかった反省から、25年にはカメラ5台の体制とした。ノンリニア編集機のマルチカム編集の機能を用いて、各カメラの見どころをスポットしながら番組をまとめ、行事全体をカットすることなく収めたものをDVDで消防局に提出するとともに、ニュース映像的にまとめた短編映像も作って、千葉市のホームページ上で公開した。
このプロジェクトを手がけたことにより、大規模なイベントを撮影・編集して番組をつくりあげることの面白さを知り、充実感を得ることができた。