ドラマ『DISAPPEAR-ディサピア-』の制作 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成24年度卒業研究概要集] [平成24年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
伊藤 敏朗 ゼミ 平成24年度卒業論文
ドラマ『DISAPPEAR-ディサピア-』の制作
芝田 佳祐
長束 訓宏

この作品は、ある大学のゼミを舞台にまきおこった事件を、主人公の学生が解き明かしていく、推理ドラマ風の青春映画である。

主人公の牧野は、大学で映像制作を専門に学ぶゼミに入る。同級生の明神の意欲や技術はとても高いが、その他のゼミ生たちはやる気がない。担任の野村先生がコンテストの説明をしていても、不真面目なゼミ生たちは聞いておらず、明神は苛立つ。そんなゼミ生たちが、ある日から次々と大学に来なくなる。牧野はその謎を突きとめるべく、残ったゼミ生に話を聞くうち、彼らは最初から無気力だったわけではなく、明神の要求するレベルが高すぎ、ついていけないことでフテ腐れていただけだったことがわかる。翌日、こんどは明神が姿を見せなくなる。牧野は野村先生に相談するが、先生の態度も不審である。牧野は、野村先生が不真面目なゼミ生たちに課題として見せていたDVDの映像の中に、サブリミナル効果を用いたメッセージが隠されていたことを発見する。牧野が追求すると、野村先生は、不真面目なゼミ生たちに「もう大学に来るな」と暗に命じていたことを認める。しかし牧野は、野村先生も、実は明神が提出した作品の中のサブリミナル効果で操られていたことを明らかにする。明神は自分の創作の妨げになるゼミ生たちを、野村先生を操って追い出そうとしていたのだ。そこに明神が現れ、自分の行為を謝罪する。明神は、他のゼミ生たちの本心を知って自らの態度にも問題があったことを反省、自分こそ大学を辞めると言い出す。だが、牧野やゼミ生たちはそれを止め、全員でもう一度皆で力をあわせて頑張ることを誓いあう。やがて彼らが一致団結して取り組んだ作品が、コンテストで受賞を果たす。

この作品で描きたかったことは、若者が仲間と力をあわせて目標にたちむかうことの大切さや、その経験を通じて得られる人間的な成長の姿である。それを直截的に描くのではなく、推理ドラマ風にひねってみることで、物語にスリリングな展開を盛り込み、面白く観てもらえるように工夫した。制作に際しては、しっかりとした日程計画がないままに着手したため、出演者が役作りをする時間もなく、締切りの目前まで撮影を続けることになってしまったのは反省点だが、関係者の多大な協力のもとに完成までこぎつけることができた。

今回の体験を通じて、映像制作の難しさを学ぶとともに、あらためて仲間の大切さを知ることができたことは大きな成果であった。