照明が音楽の印象に及ぼす影響 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成24年度卒業研究概要集] [平成24年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
西村 明 ゼミ 平成24年度卒業論文
照明が音楽の印象に及ぼす影響
砂川 佑基

我々は普段、目と耳から大きな情報を得ている。音楽聴取の際もそうだ。耳だけではなく目からの情報でも音楽を楽しんでいる。様々な視覚情報のなかでも今回、私は照明光の色に注目し音楽聴取の印象に影響を及ぼす重要な要素の一つとして考えた。

過去に行われた研究では、一般に音楽が本来持つ特徴を助長する機能を持つ色彩が、その音楽と調和していると判断される、という結果がでている。

しかし、この実験では楽曲にクラシック楽曲しか用いられておらず、用いる楽曲のジャンルをクラシック以外に変えたらどのような結果が得られるかは疑問である。よって本研究では用いる楽曲のジャンルをタンゴ・ゴスペル・テクノ・モダンジャズ・ポップスの5つのジャンルに変えて実験を行った。

実験は暗くした室内を青、赤、黄、緑の照明で照らし、照明と音楽を組み合わせ、全部で20パターン再生し、被験者に1曲ごとに音楽の印象を評価してもらうという形で行った。そして、その結果から照明の色が音楽の印象にどのような影響を及ぼすのか分析した。

実験の結果から、音楽のジャンルを問わず、赤の照明は音楽に迫力の印象を与え、青の照明は寂しく、暗い印象、黄色は明るい印象を与える傾向があった。過去の研究ではクラシックに関しては青色の照明のもと聴取すると、情緒があるように感じられるようになるが、今回実験を行った5つのジャンルではそのような傾向は得られない事が分かった。