学校における逸脱行為に関する基礎研究-いじめ問題における潜在構造について- [東京情報大学] [情報文化学科] [平成23年度卒業研究概要集] [平成23年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
圓岡 偉男 ゼミ 平成23年度卒業論文
学校における逸脱行為に関する基礎研究-いじめ問題における潜在構造について-
平山 雄祐

いじめは現代、際だった社会問題の一つである。特に、子供たちにおけるいじめ問題は深刻で、全国の公立小学校・中学校・高等学校・特殊教育学校を対象にとったアンケートでは減少傾向であるが、これはあくまで、認知件数が減っていることを示しており、逆に言えば、いじめが発見されにくくなっているとも言えるかもしれない。本論では、学校制度に注目し分析を行った。その結果、現在の教育制度が本来の役割を失っていることが見出された。そして、現在の教育制度は学歴社会の特徴である成績に価値観を置いた「成績=本人の価値」という価値観を家庭の価値観に植えつける可能性が多いといえる。その原因は形式的な平等を元にした平等主義を前提とした教育制度が原因であると考えられる。つまり、現在の学校で起こる子供によるいじめは親の価値観と社会の価値観が重なる事で学力中心の社会の価値意識がありかつそれに同調する意識が重なり、子供達を追い込み「進学をめぐる競争意識」での成績に対するプレッシャーがストレスとなり、子供がそれらのストレスを発散するためにいじめを行い、そのストレスを作る原因となっているのが「親の価値意識」の問題であり、親の価値意識もまた学校の教育制度の影響を受けているといえよう。このことから、いじめ問題には学力中心の親の価値意識と、社会の価値意識と同調させているのが形式的な平等主義にあり、さらにその形式的な平等主義の教育制度の背後には学歴社会という親と教育制度の価値意識を成績重視にする社会の問題があるといえる。その一方で、現代社会の特徴を見ると公益性よりも私益性を重視している事が分かる。この様に現代のいじめ問題には学力中心の親の価値意識と、社会の価値意識と同調させているのが形式的な平等主義にあり、さらにその形式的な平等主義の教育制度の背後には学歴社会という親と教育制度の価値意識を成績重視にする社会の問題があるといえる。