人口変動と家族-少子化をめぐる諸問題について- [東京情報大学] [情報文化学科] [平成23年度卒業研究概要集] [平成23年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
圓岡 偉男 ゼミ 平成23年度卒業論文
人口変動と家族-少子化をめぐる諸問題について-
神宮 峻徳

現在、日本では少子化が大きな問題として取り上げられている。少子化とは出生率や出生数が社会的に低下傾向にあり、出生率の水準が特に人口置換水準以下にまで低下することを指している。人口が自然増するためには、仮に男女比が1:1であり合計特殊出生率が2.0ならば将来の人口は横ばいとなる。しかし実際に生まれてくる男女比、出産可能な年齢以下で死亡する死亡率を考慮すると人口の自然増、自然減の境目は先進国では2.08、日本では2.07とされ、国際連合は標準的な人口置換水準を2.1と推計している。

2005年の日本の合計特殊出生率は1.26と戦後最低の数字となる。2006年から合計特殊出生率は若干の上昇を見せ、2010年に1.39と多少持ち直した。だが、人口置換水準である2.07には遠く及ばないものとなっている。少子化の原因には、進学率の上昇や女性の社会進出により初婚年齢が高くなる晩婚化、経済面から子どもを持つことが厳しい家庭などがあげられる。しかし近年では夫婦の合意のもと子どもを持たない選択や、婚姻届を出してはいないが、事実上婚姻状態である事実婚をとる選択、未婚とは違い自らの意思で結婚をしない形をとる非婚の選択をする人が増加している。本稿では結婚に対しての考え方の変化、結婚の先に何を見るのかを検討していく。