現在のビエンナーレの役割-日本参加の歴史から見る現状- [東京情報大学] [情報文化学科] [平成23年度卒業研究概要集] [平成23年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
柴 理子 ゼミ 平成23年度卒業論文
現在のビエンナーレの役割-日本参加の歴史から見る現状-
山崎 裕太

昨今、世界各国で開催されている美術展覧会のひとつであるビエンナーレ。ビエンナーレとはイタリア語で2年に1度開催される美術展覧会のことを指す。元々ビエンナーレという単語自体には2年に1度という意味しか存在しなかったが、2年に1度開催されるビエンナーレが世界的に広まった経緯から、いつしか2年に1度開催される美術展覧会のことをビエンナーレと呼ぶようになったと言われている。 中でもイタリアで開催されているヴェネツィア・ビエンナーレは1895年の第一回目が開催されてからおよそ100年以上の歴史を持ち、ビエンナーレそのものの発祥とも言われている。

しかし、ビエンナーレが世界的に広まる一方で、美術を通じて世界各国と交流することが目的であったビエンナーレの内容に偏りが生じてしまい、情報を伝えるメディアとしての機能を失ったことで、現在ではビエンナーレ自体の存在意義が問われている現状である。本論分では世界最大といわれるヴェネツィア・ビエンナーレに日本が正式参加から国際的評価を得るまでの歴史を追いつつ、今現在開催されているビエンナーレの動向を振り返ると共に、ビエンナーレが現在立たされている状況を文献による資料に基づいて考察していくものである。