モンスターと一口に言えど、様々な種類のモンスターが様々な時代・背景・姿かたちを変えて生み出されてきた。人間を欺く悪魔のようなモンスター、人間が私利私欲のためだけに生み出したモンスター、味方として共に戦うパートナーとなるモンスター、愛くるしい容姿で人間を癒してくれるモンスターなど、同じモンスターでも存在する目的は全然違う。そしてその姿、形も見ていて嫌悪感が沸くものから、ペットのようにかわいいものまで多種多様である。
モンスターのメディアへの進出はどのように進んできたのか。いまや目を向ければ様々な場所で見かけるモンスター達は誰に必要とされ、なぜこんなにも社会に浸透していったのか。この論文でモンスターついて研究するにあたって、さまざまな宗教観、哲学、芸術作品などを紹介していくが、これから出てくるものはモンスターの歴史のほんのごく一部である。世界にはまだ知られていないような多くのモンスターについて書かれた作品や、その歴史の背景が眠っているかもしれない。ただ、真摯にモンスターを研究することで、少しでもモンスターに理解と感情を向けることはできる。この論文を読んで、少しでもモンスターについての知識と理解を深めてもらえれば幸いである。