本研究では、CDS(硫化カドミウム)セルを用いて光で動作する楽器について検証した。CDSセルというのは当たる光の量によって抵抗が変わるものである。
目的としては、光の加減をすることにより直感的にすぐに演奏でき、楽器としても表現豊かなものができるかというのが研究の狙いである。
使用する装置としては、流れる音楽の制御としてpuredataというビジュアルプログラミング言語を使用し、フィジカル・コンピューティングボードであるArduinoを用いてCDSセルで光を検出する。
CDSセルは3つ使用し、光で変化する音の属性として音高・音量・フィルタを用いた音を備えた楽器を構築した。
その結果、音高・音量を変化させる機能は楽器の基本として不可欠であるが、さらにフィルタのカットオフ周波数を光によって変化させることで、より表現豊かな楽器を作ることができる見通しを得た。
生み出される1つの楽器のイメージをあげるとしたら、「テルミン」という楽器に近いものがある。テルミンは空間の手の位置により音量や音程を決めていくものではあるが、光を使って操作することにより視覚的にもより分かりやすくなり、テルミンよりも直観的に簡単に演奏ができる楽器を生み出すことも可能だということが分かった。