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中島 淳 ゼミ 平成23年度卒業論文
オタク女子の総合研究
地引 明香
佐藤ちひろ

2005年6月4日より東宝系で上映された映画『電車男』のヒットから、オタクという言葉が世間から注目を浴びるようになった。以前まではオタクに対して嫌悪する声が多かったが、オタクという言葉が広がり次第に定着していくことで、近年では海外からも「オタク文化」が評価されている。

オタク、と聞くと男性を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、元来女性のほうが男性よりも多趣味な場合が多く、そして女性のほうがコミュニケーション能力が高く同好の友人を作りやすい。そのため実際には男性よりも女性のほうがオタクは多く存在しているのだ。オタクの祭典として名高い、日本で行われる最も大きな同人誌即売会「コミックマーケット」でも、同人誌を販売するために参加したサークルは七割が女性サークルだといわれている。そして、ただ一概にオタクといっても「女性のオタク」の文化や種類は「男性のオタク」とは全く別の世界を形成している。

男性のオタクの場合共通して言えるのは「物を所持することが力」ということだろう。フィギュアやカードなど、様々なグッズを所持することこそがオタクの中でも「どれほどオタクなのか」をランク付ける力となっている。オタクの世界の中で貴重とされている物を所持していれば、それは同じオタクの中で誇れること、そしてそれこそが「この作品を誰よりも愛している証拠」となるのだ。しかし女性のオタクにはその傾向が当てはまらず、所持していることが「作品に対する愛の証拠」とはならないと考えられている。根本のオタクという形成から女性と男性では違っている。

ではどのように女性は「作品に対する愛」を表現しているのだろう。「所持することを力」としないならば「オタク」としてなにを重要視しているのか、「女性のオタク」とはどのような存在なのか。

本論文ではこれらの女性を「オタク女子」と名づけ、どうしてオタク女子となっていったのか、そして「オタク女子」の種類を分類し、それぞれどのような「オタク」なのかを踏まえたうえで、「オタク女子」の行動や心理を読み解いていく。