本作は、3人の男子大学生によるホラードラマである。
勇太、達也、幸平の3人は、勇太のアパートで、怖い体験談を披露しあう。達也と幸平の後、勇太が語り始める。2年前、このアパートに越してきた勇太は冷蔵庫の裏に貼られた不気味な絵を見つけた。そして風呂場には何故か「お札」が貼られていたが、気にも留めずに剥がしてしまう。次の日の夜、学校の帰り道でセーラー服を着た少女に遭遇するが、話しかけようとするとその姿は消えてしまう。アパートにいるとドアの外から物音が聞こえてくるが、開けてみると誰もいない。そんなことが続いたある日、勇太は同級生から、「お前のアパートの周りで悪い噂が流れているから気をつけろ」と忠告される。その夜、学校の帰り道で再び少女の幽霊が出現し勇太は逃げ出す。幽霊の出現やアパートでの物音が続き恐怖に震える勇太だった。ある日のこと、幽霊に追われ自分が風呂場の「お札」を剥がしてしまったことを思い出す。元の場所に貼り直すと、音がやんだ。ほっと安堵したつかの間、背後に出現した幽霊に闇へと引き摺り込まれてしまう。勇太の話がここで終わる。聞き終わった達也と幸平は、「それなら勇太が、今ここにいるのはおかしい」と気づく。突然、勇太の態度が豹変し、幽霊と共に達也と幸平に襲いかかる。
この作品では、恐怖体験を語り合う3人のうち、1人は既に幽霊になっていて、残る2人に襲いかかってくるという、増幅する恐怖を描こうとしたが、その狙いは概ね達成できたと考えている。
反省点は、キャスティングの不手際を始め、ナレーションと映像での声のトーンにずれが生じるなど、多くの撮り直しをすることとなったことが挙げられる。また、撮影に使ったアパートの室内が狭く、三脚を置くにも苦労し、思いどおりの絵を撮ることが困難だった。
制作にあたり、撮影の応援や俳優としての出演など、ゼミ生の他のメンバーにも手伝ってもらい、仲間の大切さを感じた。