「少女マンガ」は10代から20代の女子を対象とした漫画であり、対象年齢の女性はもちろん、それ以外の年齢層の女性や中には男性からも支持を得ている。そのなかで、2007年7月3日から同年の9月18日まで白泉社の『花ざかりの君たちへ』がフジテレビ系列の連載ドラマとして放映された。主人公が男装を行い自分の性別を偽って男子校へ通うという内容のドラマは、私の周囲はもちろん世間でも話題となり支持を得ていた。
そのなかで私は、恋愛を中心に物語が展開していく少女漫画の主人公が自分の性別を偽り男性として行動することに対して疑問を抱き、少女漫画の主人公が行う異性装に対して非常に興味を持ったため、白泉社で発行されている月刊誌LaLaに2002年9月から2010年11月まで掲載されていた『桜蘭高校ホスト部』と小学館から発行されている月刊誌flowerにて連載中の『風光る』に視点を当てて、押山美知子が行った研究方法を使用し、『ベルサイユのばら』と比較、考察をおこない90年代前半と現在の少女マンガにおける異性装の在り方、また今後について考察をした。
少女マンガの異性装は価値の多様化と同様に変化し、異性装の意味も変化してきている。少女マンガを愛読する少女達の価値観の変化に伴い、異性装も今後更に変化していくということが言えるだろう。