ビデオゲームおよびコンピュータゲームに関する話題を専門的に取り扱うメディアとして「ゲームメディア」と呼ばれる媒体が存在する。ゲームメディアはユーザーやゲーム業界に有益な情報をもたらすメディアとして1980年代から広く支持されてきた。しかし近年では、特定のメーカーに対するネガティブキャンペーンや、WEB媒体を利用したステルスマーケティングなどさまざまな問題が顕著化している。そのなかでも特定のメーカーや広告主との異常なもたれ合いを指摘する声は年々大きくなっている。それらはメディアというものが往々にして抱えやすい問題でもあり、今後の動向が注目される。
本論では、まずゲームメディアと特定の勢力とが接近する現状を、実例を交えつつ確認・整理する。そして欧米のゲームメディアについて同様に現状を捉え、両者のあいだに見られる差異を比較・考察し、上述の問題が起こる要因を明らかにすることを目的とする。
また、今後のゲームシーンの動向についても展望し、その上でゲームメディアに求められる変化についても言及する。