アルトサキソフォンという楽器は音を出すのが容易で初心者にも優しい楽器である。しかしその蓋を開けてみれば音は出るが音が汚い…熟練者と非熟練者の音色を比べてみるとその差は愕然とするものである。そこで、熟練者と非熟練者の音にどんな違いがあるのかを明らかにするために以下の4つの吹奏音を資料音として収音し、スペクトルを分析した。 4つの吹奏音は最低音LowC♭を基準に、中音C♭、高音HighC♭、楽器の最高音であるHigh-Aである。
その結果、熟練者の方が全ての音において高次倍音のレベル高かったことが分かった。
楽器を統一した時に、吹きやすい音域では熟練者も非熟練者も各奏者の性質が大きく出やすく、逆に吹きにくい音域では熟練者間に比べて非熟練者間では差がでにくかった。また、楽器を吹きなれている楽器セッティングにした時には、各奏者の性質が出やすい事が分かった。普段吹きなれた楽器であれば熟練者の場合、吹きにくい音域でも違いが出ていた。