流行の発祥とメディアの関係〜ラジオを中心とした影響力〜 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成23年度卒業研究概要集] [平成23年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
西村 明 ゼミ 平成23年度卒業論文
流行の発祥とメディアの関係〜ラジオを中心とした影響力〜
清水 亮佑

かつて1967年にザ・フォーク・クルセダーズの「帰って来たヨッパライ」がオールナイトニッポンで一世を風靡したが、近年は若者のラジオ離れ等が影響し、今日のラジオは流行の発信源というメディアでは無くなったのではないだろうか。

今回、自由国民社より毎年発行される事典「現代用語の基礎知識」から、1年の流行語を解説している「社会風俗用語の解説」の節を調査対象とし、ラジオ深夜放送黄金時代と謳われた1970年代から、若者のラジオ離れや聴取者高齢化が危惧されている2000年代までの計40年を調査した。記載されている見出しを流行語とし、その解説から流行語が発祥、あるいは流行に関与したかを[マスコミ・テレビ・新聞・本・映画・音楽・ラジオ]の7つのメディアに分類して調査を行った。

40年分の流行語は1393語あり、そのうちラジオが発祥の流行語、あるいは流行に関与した流行語は僅か7語しか無かった。しかし、7語の内3語はラジオ番組が発祥の流行語であり、他のメディアでも流行に関与した言葉であった。

今回の調査では、テレビ等のメディアでは、流行を生んだ場合、自身のメディアで流行させる影響力があるが、ラジオの場合、流行させる影響力が無いメディアである事が分かった。ラジオの流行は、他のメディアを用いる事で流行する事が分かった。