1990年代後半から動画や画像、音楽などのデータファイルのやり取りも簡単に行われるようになった。それにより、若い年齢の人たちにもネットワークがより浸透するようになり、また音楽や映画が私たちの生活により近い物となっている。その一方で、誰もが簡単にデータファイルをやり取りできるようになったため、違法なデータのやり取りやダウンロードを行う行為も増加の一方をたどっている。
しかし、現在の違法ダウンロードに対する著作権法は、著作権者に許可を得ずに音楽や動画のファイルをWebサイトにアップロードすることは著作権侵害で違法となっている。その一方、仮に違法にアップロードされたファイルであっても、ダウンロードすることには責任を問われない状況になっている。
本論文では、こういった違法なデータのやり取りが企業の市場にどの様な影響を与えているのかを論じている。特に音楽産業を重視している。また、こういった違法な行為が増加となった背景から、実際にどの程度の人が違法ダウンロードを行っているのか。そして、違法なアップロード、ダウンロードに対しての対策とどの様な法的手段が与えられるのかを論じている。