オタクのコミュニケーションは記号に含まれている内面的な情報を双方が認識することにより成立するという特徴が見られる。その一方で、オタクの認識は内向的、消極的といった表面上の負の一面が捉えられやすくオタクは良くない一面として認識されていることも事実である。
オタクにおけるコミュニケーションとして、以前では誌面やファンダムなどのサークル内によるものであった。しかし、インターネットの普及に伴いネット上のSNSなどのコミュニティによって行われるようになったが、内向的であり表面化しづらく、よってオタクは他者との関わりが少なく見え、また特殊な記号を媒介としたコミュニケーションはオタクたち以外には伝わらず、オタク以外の人々には理解されないことが考えられる。
オタクを消費者として産業面から見た場合、オタクは特定の要素を持ったモノを積極的に消費する。ここで消費するモノとはモノそのものが持っている利用価値ではなくモノに付加された、主に絵や文字といった記号に価値を見出しその記号を消費していることがわかった。このようなオタクの記号の消費は興味対象の原作品の理解をより深めるための行為であり、オタクとしての自己顕示欲を満たすために必要なものである。
オタクのコミュニケーションとは、現代のメディア文化に強く影響されたものであり、オタク間で意味作用する記号やりとりである。