本論文では、ストリートダンスとブラックミュージックの社会への浸透について歴史を紐解きながら社会学的側面も含み考える。押さえておきたいのは、ストリートダンスもブラックミュージックもHip-Hopカルチャーにおける4大要素であるということ、この他にもう2つ、DJとグラフィティ。この4つがHip-Hopカルチャーの4大要素と言われるが本論分ではDJとグラフィティは紹介程度に抑え、あくまで、ストリートダンスとブラックミュージックに焦点を当てる。近年では日本でも裾の緒がひろがり盛り上がりを見せているストリートダンスと、アメリカ発祥でアフリカンアメリカンたちの手により、アメリカ全土、今日では全世界にその名をとどろかせ社会的影響力を与えたブラックミュージック。それぞれの表現が人々に与えたのは何か。この表現方法によって自らのアイデンティティーを打ち出していた経緯、そしてそれが社会現象となり多くの人に支持を受け発展していった実態を論じていきたい。また同時に本家アメリカと、積極的にストリートダンス、ブラックミュージックを理解、解釈し自国での繁栄を考える日本、2つの国の特徴も論じていく。