楽曲製作の電子化に伴うインターフェースの開発や、人の動きや声を感知し、グラフィックやシステムに反映するような家庭用ゲーム機など、人間のアクションを感知する装置が次々と開発されている。感知する物=センサーを用いれば、プログラミングによる制御から、音や画像を操作できるインターフェースが作れる。
そこで本研究では音を操作するという点に着目し、加速度センサーを用いて音を操作するという事について検討した。音には音量やスペクトル、ピッチなど様々な情報がある。それらの情報は加速度センサーから読み取った動きや傾きを、パソコン上でデータ化や数値化し、変化量にパターンを設けることによって、音を操作する事が可能である。例えば、ある基準を設け、その基準をドレミの"ド"と設定し、センサーの傾きに応じて"レ"、"ミ"と変化させることが出来る。また、傾き検出を応用するとアラームとしても活用できる。
センサーには3軸加速度センサーを用いる。加速度とは、単位時間あたりの速度の変化率のことで、このセンサーはX軸、Y軸、Z軸の3方向に生じる速度の変化率を1つのデバイスで測定できるため、ユーザー自身の操作がそのまま反映される。プログラムによる制御と併用することによって、音の操作だけでなく、音と画像の両方を操作することも可能であることが分かった。
今回、センサーについては加速度センサーを用いたが、センサーの数を増やしてみたり、センサーの種類を変えてみたりすることによって、より幅広く、より欲しい情報を検出することも可能になると考えられる。