日本においてマンガとは、ほぼ全ての人が生まれてから一度は触れたことがあるであろう代表的な娯楽の一つである。しかし1990年代中期頃を境にマンガの販売額が低下傾向を辿り、近年ではマンガ雑誌の休刊も目立ってきている。
その原因として、国民の読書量の低下やインターネットの普及による余暇時間の分散、近年話題となっている電子書籍の台頭などが上げられる。一方で、販売額低下の原因の一つと考えられるインターネットなどの他のメディアを利用し、相乗効果で双方が利益を得る「メディアミックス」という商法が一般的になり、より様々なメディアでマンガを目にする機会が増えたと感じる。また海外では日本のマンガが高い人気を誇っているという話を耳にしたが、実際はどの程度日本のマンガが海外に浸透し、影響を与えているのだろうか。
この研究ではマンガのこれまでの歴史から近年の日本のマンガが人一人の生活から国内外の社会全体に与える影響、そこから生み出される経済効果を調査する。そしてマンガの販売額低下の歯止めとなりえる打開策を探り、21世紀における日本のマンガの未来とそのあり方を考察する。