大衆文化大国である日本は、90年代以降アジア各地で日本文化の流行を引き起こした。最近、中国の若者の間では、日本のマンガ、アニメ、ビデオ・ゲーム、TVドラマ、音楽、キティちゃん、カラオケ、ファッション、寿司、映画、プリクラ等、日本の様々な大衆文化が大流行している。本論文は日本大衆文化の中心的存在といえるマンガとアニメの中国進出とその影響について歴史および社会文化の角度から分析する。
日本のマンガはかなり長い歴史を持っている。日本ではマンガが先に普及した。その後マンガブームに牽引されてアニメも流行し、現在はマンガ+アニメ文化になっている。国内ばかりではなく、海外にも数多くのマンガとアニメ作品を輸出しているため、日本のマンガとアニメは世界に大きな影響を与えており、海外の多くの人から日本は「マンガ大国」「アニメ大国」と思われている。特に隣国の中国では日本のマンガとアニメの影響が強い。多くの中国の子供たちは日本のマンガやアニメに触れ親しみながら成長する。日本のマンガやアニメは人気が高いが、とりわけそのキャラクターは大人気であった。その人気はマンガ本やアニメDVDにとどまらず、キャラクターグッズも非常によく売れている。
中国のアニメも日本のように発展したいと望むならば、日本アニメが隆盛した要因を分析した結果、以下の三つの面でがんばらなければならない、ということがわかった。
まず第一は、マンガ・アニメ作品において最も主要なものは「ストーリー」であるという点。これを理解することが重要である。決して表面的な技術を盲目的に追い求めるべきではない。技術は内容をさらに豊かにするための手段だ。
第二は音響の重視だ。アニメ制作において新しい題材を考える際には、アニメ音楽とアフレコ(声優)の重要性を忘れてはならない。
そして第三は、産業システムとしての完成度を高めることである。中国でもアニメを作る前に、市場調査研究を実施し、観衆の好みを調べる必要がある。そうすることにより、中国でも人気があるアニメ作品を制作することが実現できると思う。