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伊藤 敏朗 ゼミ 平成22年度卒業論文
プロモーションビデオ『市川日本語学悦の制作
タパリヤ バラット
クォン ビョンチョル

この作品は、「市川日本語学院」のプロモーションビデオである。

千葉県市川市にある同校には、世界各国から日本語を学びに多くの留学生が集まって来る。そんな留学生たちの楽しいキャンパスライフや、同校の充実した施設・カリキュラムなどを映像で紹介し、さらに多くの海外の学生が、同校を選択してくれるようにPRすることが、本作の目的である。

作品では、まず、学校のロケーションを紹介し、先生のメッセージを聞く。その内容に添って同校の教育場面を見せる。次に、クラス紹介をおこない、留学生たちがどのように勉強しているのかを見る。留学生たちは、校内施設(図書館、事務所とスタッフ、休憩室など)を紹介し、つづいて、学校周辺(駅や公園、町の中の施設)を見ていく。次に、同校の寮の紹介となり、建物や部屋などの施設や寮に住んでいる留学生たちの生活を見る。さらに留学生たちのアルバイトの様子、つづいて修学旅行や着物体験、神社参りなどの文化学習についても紹介する。最後に出演した留学生たちを紹介し、学校の住所や連絡先などを示して番組は終わる。

この作品のねらいは、「市川日本語学校」の魅力を感じてもらい、入学の動機を与えることであり、そのために同校の留学生の生活に密着し、その楽しさや素晴らしさを具体的にイメージして貰えるように作った。この作品を見た世界の学生に「市川日本語学校」のみならず、日本での留学生活に対する魅力を感じてもらいたいと思った。

撮影に際しては、「留学生の目線で留学生活を撮る」ことに努めた。出演するのは、ほとんど留学中の本人たちなので、現実感や親密感を高めることができたと思う。編集では、本作がプロモーションビデオであることに留意して、簡潔で印象深く、リズミカルに展開するようにして、見ている間、興味を持ち続けられるようにした。短時間で見る人を惹きつけるためには多くの工夫が必要だと感じたのと同時に、短い作品であるからこそストーリーとしての展開、起承転結が明確でなければならないと思った。

この作品の感想として、テンポよく楽しく見られるといった好評価が多く得られた一方、カットの切り替えが目まぐるしい、音声のバランスが合っていないなどの意見もあった。こうした反応は、プロモーションビデオという表現ジャンルの特徴とも考えられた。

今回、ドラマやドキュメンタリーとは異なる、プロモーションビデオの制作を手がけることができ、良い経験となった。プロモーションビデオこそ、企画段階での子細な検討が重要であるということ、また、どんなジャンルの映像作品でも、最初にしっかりとしたシナリオを書いておかなくてはならないということを学んだ。