遺伝的アルゴリズム [東京情報大学] [情報文化学科] [平成22年度卒業研究概要集] [平成22年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
石塚 省二 ゼミ 平成22年度卒業論文
遺伝的アルゴリズム
松田 明子

遺伝的アルゴリズムとは、ミシガン大学のJohn Hollandによって提案された、生物進化(選択淘汰、突然変異)をヒントにできたアルゴリズムです。ダーウィンの進化論やメンデルの遺伝の法則が取り入れられています。GA(Genetic Algorithms)ともいいます。確率的探索、学習、最適化の一つの手法として考えられています。GAは膨大な量の解の候補から、正確な解ではなくそれなりに近い解を出すことができます。そのために解をはじきだすための時間が短縮されます。ただし、うまく作動させるにはパラメーターを自分の手で調節しなければなりません。その調整が鍵となっていますが、とても大変な作業です。なぜかというと、近似解がどこにあるのかすらわからない0からのスタートだからです。全てが手探りの状態で行われる、まさに生命の進化を基にしたアルゴリズムといえるかもしれません。GAは進化的アルゴリズムの一つで、一番一般的に用いられている手法です。

GAの目的は近似解を迅速かつ正確に見つけること。これができないと探索は失敗に終わります。最適値ではない値は局所解と呼びます。局所解はGAにおいてもっとも厄介な問題です。この局所解を防ぐためにも様々な手法が提案されています。

人工生命の技術に使われるであろうGA。しかしGAはそれ以外にも応用されているのです。どのような使い道があるのでしょうか。GAは、膨大な数の答えの候補があるために普通に計算したのでは途方もない時間がかかってしまう問題(例:組み合わせなど)を、迅速かつそれなりに信頼できる解を導き出すものです。データを遺伝子に置き換えることさえできれば幅広い問題に対応することができます。しかし実用的な問題だと単純なGAでは難しいので様々な工夫がなされています。