卒業論文のテーマである『音と心理』とは「認知心理学」に分類されている。
だが、今回はもっと的を絞り込んでその中の『音と感情の心理』について述べようと思う。厳密に言うと認知心理学と音と感情の心理学は少し違ってくる。音と感情の心理学は認知心理学や他の心理学の陰に埋もれてしまい中々取り上げられることは無い。今回は、何故今まで研究されてこなかったのかなどを研究する。何故詳しいことが研究されなかったのかなどについては次章から説明する事にして全ての基礎に当たる心理学について、説明する。心理学の歴史の始まりは、今から約120年前の1879年となっている。実はそんなに長くは無いのである。一方で心への感心は古く、心に関する哲学的考察ならギリシャ時代にまで遡ります。それ以降の哲学においても、心については思弁的な考察が続けられていましたが、時代精神を反映する考察がなされてきました。しかし、現代心理学の誕生と発展に影響を与えたのはルネッサンス以降の近代哲学の出現を待たなければならなかった。心理学が現代のように色々な、研究や調査に使われるようになった始まりは、20世紀の初頭ベルリンにいた、一頭の「ハンス」と言う馬から始まった。ハンスは四則演算を行い、少数を分数に変換したり、正しい綴りで単語を書くなどの離れ業をするようになった。だが実験の結果ハンスが答えを出す時はひづめで地面を叩いてみせるのだが、そうすると人間は目線をひづめに向けさらに、正解の数を叩くと眉が若干上がる、口元が動くなどの無意識の行動をとります。ハンスは人間の些細な反応を読み取る能力を持っていたのだった。賢いハンスの事例が示唆する重要な意味は能力のような心理学的な問題に実験などの科学的方法を導入すると言う事だった。そこから様々な心理学やの種類に枝分かれし、それにあった実験方法も生まれ、そしてその中から『音と感情の心理学』も生まれたのである。