ケータイ小説-ケータイ小説の現状と今後- [東京情報大学] [情報文化学科] [平成22年度卒業研究概要集] [平成22年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
茨木 正治 ゼミ 平成22年度卒業論文
ケータイ小説-ケータイ小説の現状と今後-
小野 佳奈子

ケータイ小説は、携帯電話で手軽に執筆・観覧できる小説で、10代から20代の女性を中心に支持を集めている。私の双子の弟も2007年に映画化し大ヒットしたケータイ小説「恋空」を好んで読んでおり、「読みやすい」「泣ける」とよく言っていた。当時高校生だった私の周囲でもケータイ小説は流行しており、2007年の紀伊国屋年間ベストセラーランキングでは、上位3位を書籍化したケータイ小説が占めていたほどの人気だった。しかし、2008年の同ランキングではケータイ小説は100位圏内にすら入っておらず、現在ではケータイ小説のブームは過ぎたと言われている。

ケータイ小説は書籍化や映画化もして大ヒットした反面、文章力不足や若者向けとしては過激な内容が問題視されていた。特に強姦や薬物・登場人物が病気によって死亡するなどの内容に対して実際の被害者や遺族などから深刻な問題が軽視される恐れがあると批判が相次ぎ、批判意見はケータイ小説の最盛期と言われている2007年当時も目立っていた。私達が普段読む「小説」とは違い、若者をターゲットとした小説は他にもある。しかしケータイ小説のように批判意見が目立つことはなく、新しいジャンルとして受け入れられている。ケータイ小説に対して批判的な意見が目立つ理由。そして、ケータイ小説の最盛期が過ぎた理由などを、その独特の特徴や、現在「小説」の一つとして受け入れられている「オンライン小説」や「ライトノベル」との違いを通し考察して、今後ケータイ小説がどのようなかたちで定着していくのかを考える。