エニックスお家騒動について [東京情報大学] [情報文化学科] [平成22年度卒業研究概要集] [平成22年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
茨木 正治 ゼミ 平成22年度卒業論文
エニックスお家騒動について
井上 久美子

漫画雑誌と聞いて、いくつ思い浮かぶだろう。少年向け、少女向けといったように性別で分けられ、その次は年齢、そして刊行速度と分けられる漫画雑誌は、とにかく多い。誰しもが一度は耳にしたことがあるであろう『週刊少年ジャンプ』も、『週刊ヤングジャンプ』、『ジャンプスクウェア』、『ビジネスジャンプ』など多くの姉妹雑誌を持っている。日本雑誌協会から発行されている『マガジンデータ』の2010年版(2009年10月1日〜2010年9月30日)には90以上の漫画雑誌が載せられ、発行部数が公表されている。だがここにあるのは一部の漫画雑誌だけであり、全てではない。

『月刊少年ガンガン』、『月刊コミックブレイド』という漫画雑誌を聞いたことがあるだろうか。先にあげた『マガジンデータ』には載せられていないのだが、この論文に欠かせない漫画雑誌である。『月刊少年ガンガン』はエニックス。『月刊コミックブレイド』はマッグガーデン。それぞれ別の出版社から刊行されているものだが、この2つには深い関係がある。『月刊コミックブレイド』の創刊時の作家の9割は、『月刊少年ガンガン』および姉妹雑誌で連載していた作家だった。休刊・廃刊になった雑誌の作家が他の雑誌に移ることはあるが、刊行している雑誌から一斉に移籍した例は過去にない。この作家が大量移籍した時期を「エニックスお家騒動」いう。

なぜそのような事態が起きたのか。その原因はなんであるか。作家達にはどのような影響を与えたのか、詳しく調べていく。