音楽が特定の気分変化に与える影響-男女別の分析- [東京情報大学] [情報文化学科] [平成22年度卒業研究概要集] [平成22年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
西村 明 ゼミ 平成22年度卒業論文
音楽が特定の気分変化に与える影響-男女別の分析-
木島 沙織

人は状況や気分によって聴く音楽を選んでいる。つまりその時の気分によって聴きたいと思う音楽に違いがあるということになる。そこで、ある特定の気分のとき、どんなジャンルの音楽を聴くのかを調べた。また、なぜその音楽を聴くのか、聴いた後気分はどのように変化しているかという気分への影響についても調べた。そして男性と女性で回答に差があるかについて分析した。

今回、調査の手法はアンケートを使用した。このアンケートでは、聴く前の気分を「楽しい気分の時」「悲しい気分の時」「イライラした気分の時」「ゆったりした気分の時」の4つに想定して回答してもらった。それぞれの気分で、音楽自体を聴くか聴かないかを回答させ、音楽を聴かない場合はその理由も回答してもらった。音楽を聴くと回答した人にはどんなジャンルを聴くのか、その音楽を聴きたいと思う理由は何か、その音楽を聴いた後気分はどのように変化するかを回答してもらった。理由の回答では、過去の研究での自由回答の結果をもとに選択肢を作成し選んでもらった。アンケート回答者は20〜24歳の男性 40人、女性 29人の合計69人である。

分析の結果、どちらの性別のいずれの気分でも音楽を聴くという回答が多かった。

楽しい気分のときは、女性はポップス、男性はロックを聴き、気分を楽しむために音楽を聴くという傾向が出た。

悲しい気分では、女性はバラードなどゆったりした曲を聴いて気分に浸るか元気付けてもらいたいという傾向が、男性はロックなど激しい曲を聴き気分を変える傾向が強いようである。

イライラした気分では、女性は好きな曲、またはポップスを聴いて気分を紛らわせ、男性はロックを聴いて気分を発散させる傾向が強いようである。

ゆったりした気分では、女性はポップスを、男性はいろいろなジャンルの曲を聴き、さらにその気分に浸る、または気分に合わせた音楽を楽しむといった傾向があった。

また、今回の分析結果を男女合わせたものと過去の研究を比較した結果、回答者が異なっても結果にあまり大きな差はみられなかった。つまりこのアンケート調査は一般性を持っているのではないかと思われる。